ホンネの日記

リアル生活では言えないホンネを書く                                      

現場監督として「安全」について思ってることを書く

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今日、また東京の工事現場で死亡事故が起きたらしい

 

【東京・赤坂 工事現場で鉄パイプ落下 男性作業員死亡】

news.yahoo.co.jp

 

詳細はわからないが、吊り上げて仮置きした材料が落下して

下にいた作業員に当たったのだろう

おそらく足場の上に置いたのではないか

 

足場上に材料を仮置きするのはご法度である

でも長い単管パイプとか、よく足場の上に置いちゃうんだよね

狭い工事現場だと置き場所がないからね

 

でも落ちたらアウト

人に当たったら、即死亡災害

 

だからオレは絶対に足場の上に材料を置くことは絶対禁止してる

どうしても置きたいなら、

監視員をつけて、直下を立ち入り禁止にする

 

ニュースで報じられた現場でも

「下部立ち入り禁止」とか「作業半径内立ち入り禁止」をやってたとは思う

しかし

99回やって、1回やってなかったとしたら

その時に事故が起こる

不思議だがそういう時に限って

事故が起こる

世の中そうなってる

 

 

現場監督として建設現場の事故について

思う事がたくさんある

どうやったら安全を守れるのかという

永遠の課題

 

正直いうと、事故を撲滅することは絶対不可能

どうやっても事故は起きる

 

でもそれを少なくすることはできるんだ

オレも現場で事故を少しでも減らすための努力をしている

 

危険な箇所を見つけたら、とにかく是正の指示をすぐに出す

とにかく朝礼でも言い続ける

現場を回って気づいた点は写真に撮って

昼の打ち合わせで徹底的にみんなに注意する

とても泥臭いんだが、それしかない

地道にやるしかない

 

作業員たちが

あの現場はウルサイ監督がいるから

マジメにやろうぜ

そう思わせることができたら、事故は減る

必ず減る

 

そういう「雰囲気」をつくること

安全の雰囲気を作ることが

小さな災害をつぶしていくんだ

 

 

安全とは、「殺虫剤」みたいなもん

虫1匹を探し回って、退治するのではなく

部屋全体に殺虫剤をまいて

隠れた虫を退治する

 

要するに

ピンポイントで事故につながる危険を見つけようとしても

絶対にムリだ

なぜなら未来が分からない限り

事故については知りようがないから

 

未知の事故をどうやって防ぐか

 それは

安全の雰囲気を現場全体にまくことにより

事故という名の隠れた虫を退治する

 

つまり

安全の雰囲気が作業員、現場担当者に伝わり

全員が事故を避けようとする雰囲気

それを浸透させること

 

工事現場を預かる所長の仕事はそれである

オレの仕事はまさにそれだと思ってる

現場の安全を守るにはそれしかない

 

 

 

危険を見ても何も言わない監督

見て見ぬふりする監督

メンドクサがりの監督

ズボラな監督

そんな現場は事故が起きやすいと思う

 

でも

そういう堕落監督でも事故が起きない現場もある

逆に

安全にメチャクチャ注意をした監督でも事故が起きる

 

どうせ事故が起きるなら、何もしなくていいんじゃね?

ではない

断じてそうではない

 

現場監督という仕事でメシを食うなら

いかに事故を減らすか

いかに雰囲気の良い現場を作るか

いかにいい建物を建てるか

 

そこに全力投球するべきだと思うんだ